HEART川柳一人一句
               平成二十八年十一月

名勝負しのぎを削るハムと鯉      利枝子
 眠れない夜を昭和が行き来する       彰
 DNA二百万年生きている        正武
 アンチエイジ全て試して老いて行く   と志子
 勘頼り何でも削る町工場          肇
 トランプに直ぐ会いに行くまるでポチ   直路
 このままでは歴代知事が馬鹿に見え    善弘
ノーベル賞うんともすんとも言わぬ人  おさむ
今月のこの一句
             平成二十八年十一月

眠れない夜を昭和が行き来する 寺川 彰

心配事や悩み事などがあってなかなか寝付かれないことがある。寝なければと思うほど寝付かれない。そんな時浮かんでくるのは過去のいろいろな出来事、それも平成になってからではなく昭和のことが多い。しかし、すぐ現実に戻ってくよくよするが、また昭和に戻る。「昭和を行き来する」という表現で作者の置かれた情況が読み手に強く伝わってくる。