HEART川柳一人一句
             平成二十九年六月

 水遣りが過ぎて枯らした愛の花    と志子
 トンネルをいくつも抜けて生き残り    彰
 トランプに青い地球が壊される     善弘
 鯉のぼり空気たらふく腹の中       肇
 羽根のない飛行機が飛ぶ高速路    おさむ
 表面張力酒がグラスで口を待つ     正武
 たっぷりと衣食は足りて礼忘れ    利枝子
 安部と加計忖度ととく共謀だ      直路

 警報にとっさの知恵が浮かばない     彰
 黒着ると魔女になっちゃう深い皺   と志子
 腸不調ヤクルト効かぬスワローズ    正武
 読売は云々にまでルビを振り       肇
 あなた誰魔法のごときメーキャップ  利枝子
 魔法とは洗脳だった戦時中       直路
 おろおろと喪失の日々手をこまね   おさむ


今月のこの一句
                     平成二十九年六月

  散らばった雲を抱いてる青い空    津田と志子

 一面の青空にいくつもの雲が無秩序に浮いている。しかし、それが何となくまとまった温かい光景として作者には映ったのであろう。あたかも青空としての母親の自分が、自由に伸び伸びと育っている子供たちを見詰めているように・・・。