今月のこの一句

             平成二十七年八月

 

真ん中の声が聞えぬ民主主義         彰

 

 思想的に左右がハッキリしている人は、例えば今回の自衛権がらみの法案に対しても大声で堂々と賛否の持論を唱える。マスコミも左右に分かれて一方的な持論を展開する。民主主義だからこそ出来ることでもある。それに対して、いわゆる中間層は左右どちらにも疑問点を感じ、それを意見としてまとめることがなかなか出来ないでいる。従って声高に物を言えないしマスコミも目を向けてくれない。数としては左右を越すことが多いのにである。民主主義に無視されているような感じさえする。そんな思いが掲句から伝わてきて共感させられる。